乙女座新月〜秋分〜上弦の月(今日)
9月後半から10月にかけてはなかなか星の動きが賑やかです。目下、いちばん話題になっているのは、10月10日の木星蠍座入りでしょうか。
でも、秋分で太陽が太陽が天秤座に入っても、金星水星火星は乙女座にあるんですよね。
前から読んでくださっている方はご記憶かもしれないのですが、毎年7月と9月には信州に行く用事があって、なぜかその前後に別の仕事も入ったり、疲れから体調を崩したりして、個人的にアップアップしてしまうことが多く。ブログの更新も間遠になり、ご無沙汰してしまいました。
今日の写真は、9月20日の乙女座新月に組んだ秋のオーガニックグリッドを、上弦の月(山羊座6度でした)でちょっぴり組み直したものです。
新月で始めたこと、始まったこと、上弦にかけてそろそろ盛り上がってきたんじゃないでしょうか。
秋分と言えば、刈り取りの象徴です。春に播いたものを育てて秋に収穫する。秋は実りの季節なんですね。その一方で果実や種子をむすんだ木々は葉を落とします。
秋のオーガニックグリッドには、この季節を表す「実り、収穫、落葉、冬の備え」のイメージを写し取ったつもりです。
太陽の光も少しずつですが弱まり、角度も斜めになってきて。そろそろつるべ落としなんて言われて夕方には少し、肌寒いような。
それでもどこかに春夏の名残のような光や色合いがきらきら残っていて、過ぎた日々の記憶と遊ぶ楽しみもある。
夏の終わりから秋にかけては火を入れるとおいしい果物も増えて、スイーツアルケミストは日々ジャムやコンポートを作るので忙しくしています。
占い師としては、秋以降、少し趣向を変えた鑑定メニューも始める予定でいますので近々お知らせしますね。また星の話や香りの話なども書いていきたいと思っています。どうぞお楽しみに。
ではみなさま。深まりゆく秋を、ゆっくり楽しんでくださいね。
9月6日魚座満月のグリッド 海とか陸地とか
9月6日 日本では16時頃、魚座で満月が起こります。月が魚座の海王星を通過したあと、すぐの満月。海王星と月がとても近い、魚座の力が強まる満月図です。
満月なので、太陽は月の反対側、乙女座にあります。この、相反する要素の間で引っ張り合いが起こるのが満月のタイミング。
すべてを具体的にし、白黒をハッキリつけて、一つ一つをボトル詰めしてラベルを貼って違いを確認したい乙女座の太陽。
対する月と海王星は、すべての境目を曖昧にし、溶かし込み、全部を包み込む泡泡の大海に投げ入れてしまいたい。
気分が揺れ動きやすいときです。
今日は、魚座満月のグリッドを組んでみました。
周りにはわりあいと強い石を選んでしまったのですが、結界を張るつもりだったのかな。浄化力の強い石に守られて、安心できるように。
一方、真ん中にはクリアなハーキマーダイアモンド、緑泥入りの水晶と、羽根の形をしたフェーブにのせたピタサイト(ピータサイト、テンペストストーン)。
テンペストストーン=嵐の石とも呼ばれるピタサイトは、タイガーアイの仲間で、外見はホークスアイに似ています。わたしにはその違いはよくわからないのですが、テンペストストーンは自分では滅多に選ばない石なのに、ここ半月くらいとても気になっていたので真ん中に置いてみました。
テンペストの猛威を、羽根がやわらげてくれるように。
たぶん、テンペストは人々を襲うのではなく、人々の中にある。それをいたずらに出すのではなく、自分のなかで浄化していく必要があるのだなと思いました。
そういう、スピ的な(笑)ことを考えつつも。
引っ張り合っている満月の太陽と月のセットに対し、調和的な配置で緊張するエネルギーを緩和してくれているのが、山羊座の冥王星であるように。
グリッドの底=懐の深い部分には、大地のエネルギーを感じさせるクリソコラの球を置いています。この石には「地球」という名前をつけているのですが、そういうふうに見えませんか?(^^)
心のなかのテンペストを持て余しながら、わたしたちはこの地球上に生きているわけで。スピッとどこかへ飛んでいけるわけではないんですね。
揺れ動いたときには、無理をしないでこの世という地球との接点をもう一度探り直すのもひとつの手ですし。
とりあえず、ざぶっとお風呂に浸かって眠ってしまう(魚座の月と海王星ってそんな感じです)のも一案です。
地球は大部分が海で、だけれども陸地がある。今日の満月には、そんなことも考えさせられました。
あまり無理はしないでくださいね。水星も順行に戻ったばかりで、ざわつきの余韻がもう少し続きます。明日は午後9時までボイドで、新しいことを始めるにはあまり向いていないですし。
テンペストと折り合いがつくとまではいかなくても、乙女太陽の光でその存在を照らし名づけられたら、次のステージに到達できそうです。
今夜のアロマ:
現実感がほしいなら→サイプレス
深い安らぎがほしいなら→サンダルウッド
わたくし藤井まほ、海王星効果なのか、すでにぼやーんとしてしまったため、いつもよりほんわか多めでお送りしました。
みなさま、穏やかな満月を過ごされますように。
WS無事終了しました&「XV The DEVIL 悪魔」のカードとスーザン・ソンタグなど
乙女座から獅子座に戻った水星逆行も、そろそろ終盤に近づいてきました。
みなさまのところでは、どんな表れ方をしましたか? わたしは旧くからの知人と再会したり再びご縁がつながったりしたのと、諸般細かい連絡が滞って大きなことがスタックしてしまっているのと、腰痛で延期したワークショップを別の形で開催できたのと、そのくらいでしょうか。悲喜こもごも。
2日(土)のアロマバスソルトを作るワークショップは、少人数でしたが、10月に到来する蠍座木星イヤーを先取りして、隠れ家的にひそやかに、どっぷり濃密にやらせていただきました。算命でいうとわたしの命式には調舒星があるのですが、これはメガホンで大勢に向けて叫ぶのではなく、マンツーマンでひっそりどっぷりやるという側面のある星らしく。木星in蠍座だとわたしのそんなところが出てきやすいのかもしれません(ちなみにメガホンで叫ぶほうの星もわたしの命式にはあるのです、だから両刀づかいですね、うふふ)。
東京はこの1週間ほど涼しいので、寒天のおやつは冷たすぎるかなーとちょっと心配だったのですが、幸いよく晴れて午後は少し暑くなり、ちょうどよかった(^^)。参加者の方にはびっくりされたのですが、黒蜜ももちろん手作りなんですよ。今回はフレッシュいちじくと夏みかんのシロップ漬けときなこをトッピングしました。
アロマバスソルトも、楽しんで作ってくださったようで何よりです。お風呂の時間が、いつもよりもうちょっと贅沢な、星の力の感じられるものになりますように!
ワークショップに参加してくださった方、告知に協力してくださった方、応援してくださった方、ありがとうございました♪
**
さて、少し遅れての告知になりますが、おなじみトーキングアバウト青い鳥のタロット「XV The DEVIL 悪魔」篇が公開されています。
今回は、川口さんの製作裏話でもより内面的ディープなお話を伺えたのではないかと思います。
以下、少しネタバレ(なので先にトーキングアバウトを読んでくださいね)。
★青い鳥のタロット「XV The DEVIL 悪魔」篇スピンオフ、まほの個人的雑感
個人的には、川口さんがこのデビルの絵を描くにあたって、いつもの慣れたやり方=「調和や秩序」をつくることによって見る人の中に「美しい」「カッコいい」という感覚を生み出すことを手放さざるを得なかった、というところが非常に興味深かったんですね。
このデビルのカードの絵を見て、何か引っかかりや抵抗を感じる人が多いのは、川口さんのこのときの模索が成功しているからではないかと思うのです。
いわくいいがたいけれども、「美しい」や「カッコいい」という、一般的に「絵に求められるもの」を逸脱した要素がここにはある。そして、デビルのカードはそう描くように川口さんに要求した、ということじゃないかと(敢えて擬人化してみました)。
そのあとで、川口さんがぽろりと言われた「美しい報道写真問題」という視点が、また面白くて。
ここで言われているのは、実際には悲惨であるはずの情景(たとえば戦場)が、写真の撮られ方や切り取り方次第では美的なものとして目に映ってしまう、ということなのですが。
このお話を聞いていて、わたしは、スーザン・ソンタグ(注)の『他者の苦痛へのまなざし』という本を思い出しました。
ぴったり重なるというわけではないけれど、微妙に交錯するところがある気がしたんですね。
ソンタグのこの本では、戦場で撮られた写真、戦争後の廃墟の写真、兵士の遺体の写真、あるいはゴヤによる連作『戦争の惨禍』などを題材に、苦痛や悲惨や残酷をテーマにした表現が論じられています。
彼女は、川口さんとは反対の方向からこの問題に切り込んでいて、人には、他者の苦痛や悲惨さの光景を(美的かどうかという判断よりも前に)見てはいけないと思いつつ見てしまう性向があると指摘しています。
わたしたちが何かに見入ってしまうのは、何かに魅入られてしまうのは、必ずしもそれが美しかったり、善だったりするからではないんですね。人間の興味というのは多様ですから。
たとえば、わたしは廃屋、廃墟、廃工場とか廃作業場(?)とかが好きで、惹かれてしまいます。たまたま出会えば、写真を撮ることもある。
2001年の夏、取材で仙台に行く機会がありまして。
そのとき、3月の東日本大震災の際に津波の被害に遭った海岸に立ち、そのすぐそばに建っていた(はずの)普通の家――基礎とわずかなブロック塀の名残を残してそっくり流された――を見たときに、いったい廃墟を撮るってどういうことなのか、考えてしまって。いつもなら、好きで撮ったりする景色なのですが。
廃墟は美しい。でもそこに住んでいた人は津波に呑まれて亡くなったのかもしれない。それでも美しいのだけれども、その跡地を写真に撮ること、撮って誰かに見せることっていったいどういうことなのか。
その問いにまだ答えは出ていないのですけれど。
川口さんのお話を伺っていても、ソンタグの本を読んでも、同じところに自分の考えが戻っていくのです。
全然違う話ですけれど。ソンタグを出したついでに書くと。
たとえば作家やジャーナリストなら。
悲惨なものを見たくなる、あるいはそこに美しさを見てしまう人間に、「ほんとうに(この)戦争をしてもいいのか」ということを考えさせるには、何をどう表現したらいいのか。
そこには「『この』戦争『に限って』は『正義の』戦争であり、『善』であると伝えよ」とおっかぶせてくる国家、政府の報道規制、記者の従軍報道の制限といった力も加わってくるので、表現する側は一筋縄ではいかない。受け手はリテラシーを持たねばならない。などなど、いろいろなことを考えさせられます。
そして現代を生きるわたしたちは、それを文字や言葉による情報だけでなく、映像や写真(その多くはテレビとネットを介して浸透するように入ってきます)抜きに考えることはできないんですね。
そんなことがこの世にある一方で、川口さんはデビルの絵を苦闘しながら生み出している。生み出された絵を見た人には、何か、いわくいいがたいものが感じられる。今回のトーキングアバウトを受けて今日わたしが言えるのは、ただそれだけなのですけれど。
まったくの個人の感想ですが、みなさんが表現や、受け取るということについてもう一歩何か考えるきっかけになったらいいなと思っています(^^)
脱線しすぎていて、トーキングアバウトの中には盛り込めなかったのでこちらに書かせていただきました。
**
注:スーザン・ソンタグ(1933-2004)は米国の作家。1964年に発表したエッセイ集『"キャンプ"についてのノート』でデビュー。ハノイやサラエヴォなどを訪ねて思索、著述。ニューヨーク在住の2001年、同時多発テロの直後から、パートナーである写真家アニー・リーボヴィッツ(ジョン・レノンとヨーコ・オノの写真で知られる)とともにグラウンドゼロに入って被災者の支援にあたる(「だって、どうなってるか知りたいけど、何もしないでは現地に入れないでしょ」と軽口を叩いたのだとか。チャーミング♡)
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