3月28日新月図 自分に吹いてくる世界の風を読む
東京は冷たい雨の週末でしたが、今日はめでたく晴れ。ソメイヨシノの花もほころびはじめて、少しずつ春が近づいてきていますね。
日本では今日、28日の正午頃に牡羊座で新月を迎えます。
牡羊座と言えば、12星座の1番目。このところずーっと牡羊座祭りなので何度も書いていますが(笑)。
1番目だから牡羊座って1番が好きなんだよ、と占いの本などに書いてありますが、多くの「牡羊座生まれ」さんは「わたしはそんなんじゃない」と否定されます。そうなんです、牡羊座的な1番とは「世界の頂点」じゃありません。だって、牡羊座は12星座で言えば、生まれたばかりの魂。世界なんてわかるわけありません(笑)。
赤ちゃんなら、ぎゃーんと泣いて、誰かが反応してくれたら、世界は泣けば反応するもんなんだと学習していく。そういう段階なんですよね。
牡羊座の支配星は火星です。いろいろなものごとを象徴する火星ですが、たとえば、ぴゅーっと行動するエネルギーとか。
生まれたばかりの牡羊座の魂は、ぴゅーっと行動することによって世界の像を確かめます。そのとき、真っ先に動きたい、うずうずする衝動が、牡羊座の質と言えるでしょう。そういう「1番」なので、「いちばん最初に動き出す」という意味だと思ってくださいね。
という、生まれたばかりの魂の星座で起こる新月なので、初々しいところがあります。いちばん初々しいところは春分点で、今回の新月は30度に刻まれた牡羊座の8度。まだまだ若いなって感じですね。でも、ちょっとは世界を学習しています。
新月のサビアンシンボルは、A large hat with streamers flying, facing east 「風になびくリボン(吹き流し)のついた大きな帽子が、東を向いている」。
帽子は、春分点でオギャーと生まれた魂で、ここまでの成長によって吹き流しのように長いリボンがついたので、いちいち体当たりして世界を確かめなくてもその動きによって風を知ることができるようになった、と読めますね。
世界からは、「風」という刺激がやってくる。それが魂の創造する力を鼓舞していく、というようなことでしょうか。
8度で偶数なので、牡羊座であっても「やってくる」ものを受け止める性質もあります。
アスペクトを見てみると、木星、冥王星、天王星という遠い天体が例によって活動宮の星座でスクエアをふたつ、形作っています。ものごとは、社会は、押しとどめようもなく進んでいく。活動宮星座で天体がないのが唯一蟹座なのですが、日本では新月図のアセンダントが蟹座になっていて、支配星の月が新月です。新月はMCの近辺。
この配置、気分的には「オレ」です。自分の気分が大事な新月であり、ここからのひと月は自分自身がテーマになってくるでしょう。でも、これから満月にかけての半月、その現場としては自分の中に閉じこもって自分を見つめるというよりは、外に出たり、人と交わったりして、世界の「風」を感じることが多そうです。幼い魂なりに、そこで自分が何を求められているかを見極める必要があるかも。それもまた、風を読み、自分の気持ちとすりあわせる作業と呼べるでしょう。
新年度、わくわくしつつ、自分軸という穏やかな安定も保ちつつ、迎えたいものです(新しい環境になじむのに時間がかかって何かとすぐ慌てるわたしなので、自戒も込めてw)。
閃き、インスピレーションを具体的に行動に移すのには適した時期です。お互いを思いやる気持ちや配慮はやさしくめぐるでしょう。
季節の変わり目で寒暖の差も激しいので、健康面はちょっと注意してくださいね。腰の冷えとか、使いすぎによる骨、関節の痛みとか。雪の多い地方の方、もう少しなので雪下ろしや雪かき、頑張ってください。
あと、わたしもそうなのですが、浮腫や水分滞留にもご注意を。適度なエクササイズが大事です。そして、いまそういう習慣をつけると長続きできそうな配置でもあります。
この新月、「わたし」という存在を確かめるのに、吹いてくる風を利用してください。風の向きを知るためのリボンをあなたは手にしています。それを見ることにより、ちょっとエネルギーを効率化させることができるはず。
でも、無駄があってなんぼの牡羊座月間ですから、そのあたりは太っ腹で進んでくださいね。
みなさまがよい新月を迎えられますよう。
スイーツアルケミストのお仕事
太陽が牡羊座(12星座の一番目)に入る春分の日=占星術的なお正月を前に、何やら歳末ムードたけなわの占星術業界です(笑)。
ですが、わたしは引き続き火星エネルギーの赴くままに動いてみようかと思っています(笑)。
天空の火星は、3月10日に牡羊座から牡牛座に移りました。
牡羊座は火のエレメントで活動宮。精神的で上昇するベクトル、行動のパターンとしてはものごとを始める性質がある。一方の牡牛座は地のエレメントで固定宮。感覚的で下降するベクトルがあり、行動のパターンとしてはものごとを維持しようとする性質があります。
全然違いますね。隣り合う星座というのは、このように違いが際立っているのです。
牡羊座にいたときの火星がものごとを始めようとカチカチ点火するスイッチみたいな働きだとすると、牡牛座に入った火星は始めたものごとを続けるための種火みたいな感じに落ち着くのかもしれません。ちょっとペースを落として、じわじわ。
牡牛座といえば、ひとの身体や五感を象徴する星座でもあります。世界を、身体を通じて経験しようとします。
というわけで、わたしが新しく標榜する肩書き、スイーツアルケミストとは何かという説明にはちょうどいいタイミングかなと、勝手に思ったわけです。味覚や嗅覚も大事な五感のうちですからね。
わたしの母方の祖母は家で料理を教えていました。祖母も、祖母が習った先生も英国にゆかりが深かったらしく、祖母のレシピは、何冊ものきれいな筆記体で書かれた英語のノートとして残っています(お教室は東京にある先生のお宅だったようですが)。
祖母のレシピノートはすべて、7人の子どもを育て上げた祖母にとって長女にあたる母に受け継がれました。母は専業主婦だったためにこのレシピノートをかなり活用できたようです。
料理はもとより、お菓子も家で焼くというのが祖母伝来のやり方で、わたしは子どもの頃から買ってきたケーキよりも母の焼いたケーキのほうをよく食べていたのではないかと思います。
12月になるとたくさんクッキーを焼いて少しずつ小分けして袋に入れリボンをかけて、お世話になった方のところに届けたり。クリスマスの前日にはブッシュドノエルのデコレーションを手伝ったりするのが年中行事だったんですね。
だから、おいしくできるかどうかは別として、お菓子は家で焼くものというのが自然とたたき込まれていました。
やがて、自分のキッチンをもつようになって料理が楽しくなって(母のキッチンだとアシスタントしかやらせてもらえないし、自分の作りたいものや好みの味は作れないですからね)。家庭用の電子レンジにもオーブン機能がつくようになって。
やっぱり母のようにお菓子を家で焼き始めたのです。20年以上前でしょうかね?
そのうちに、ビルトインのガスオーブンのある現在の部屋に越してきて、もっと自由にいろいろなものが焼けるようになってきた。オットがやっているレストランで出すデザートも作るようになったのです。
そんなあたりが前段階としてあって。
占星術を学ぶうちに、この食べ物は月とかかわりが深いとか、このスパイスは火星だとか、伝統的にそういう対応関係があるとされてきたことがわかってきたのですね。
じゃあ、星の力もスイーツに入れちゃいましょうということで、金星のエネルギーを高めるケーキやスパイシーな火星のクラッカーを焼くようになりました。
イベントで販売したり、占星術ワークショップのティータイム用にご注文いただいたりして、現在のように個人的なご依頼もいただくようになってきました。
スイーツアルケミー(甘い錬金術)というのは、そういう、占星術の伝統的知識を生かして星の力も考慮した食べ物を作ることだとわたしは考えています。甘いものに限らず、スパイシーなものも作っていますけれど。
一例として、写真をつけたのは、先日ホワイトデーのためにご注文いただいたサブレ(やや柔らかめの食感のクッキー)。クランベリー入りと、ココア味にミントを入れたものと2種類焼きました。
折しも金星逆行中なので、金星力を食べ物として取り込むのもいいかもということで、クランベリーやミントを入れました。ほかにも、これは占星術ではありませんがチョコレートは恋に「効く」といわれているので、ココアパウダーを入れたり。(写真をクリックすると拡大して説明や原材料の字が読めるのではないかと思います)。
星の力を借りるのは藤井まほとしてお作りするものですが、通常、オットとやっているケータリング屋Y's Kitchenのほうでも同じフレーバーのものをお出ししています。
占いとお菓子焼き職人がハイブリッドされた仕事=スイーツアルケミスト、というわけです。
何か試してみたいとか、○○座生まれさんのお誕生日にこんなもの作れませんか?というご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。fujii.maho@@gmail.comまでどうぞ。(@を一つ抜いてください)
今後も折に触れて、こんなお菓子を焼いたよ、という記事を書いてお知らせしようと思っていますので、どうぞよろしく。
3月12日満月図 「ほんとう」はいろいろな形をとる
空気はまだ冷たいなぁと感じるのですが、ちょっと外を歩くとなんだか汗ばんでしまう東京です。写真は、我が家のクロッカス。去年、母が分けてくれた球根を埋めたのが先週半ばに咲き始めました。クロッカスを育てるなんて小学生のとき以来じゃないかな。咲いてくれて、ちょっと嬉しいです。
さて。満月図読み、遅くなってしまいました。
日本では12日から13日に日付が変わる頃、乙女座で満月が起こります。活動宮と柔軟宮にTスクエアがあったりして満月図のアスペクトはハード目ですが、今回の満月にはほっとできるようなやさしさを感じます。
満月の度数は乙女座23度(数え)。サビアンシンボルは、An animal trainer 「動物の訓練士」。自然界の完全無欠さを日常の身近な世界のなかで見つける、であるとか。訓練を通して動物とやりとりするなかでお互いに習熟していく、とか。関係性のなかで磨かれていくとか。そんな象徴のようです。
興味深いのは、満月=太陽と月の180度、天王星と木星の180度という2本の軸が30度の角度で交わって長方形をなしていることです。占星術用語で言うミスティックレクタングルの変形というか。
30度は、推進していく、行動を進めていく力。数えの23度も、2+3=5ですから動いて、動かしていく力(木星だけは数え22度ですが)。
それが、風のおさまった瞬間の湖面がふっと静止しているような形に見えました。
たぶん、ここから次の新月に向けてもろもろが動いていくのではないかと思います。
この月のサイクルの最初の新月読みでは、一人一人が固有で、でもつながっていると書きましたが。それが満ちて、一人、つまり「自分」が静かに際立っている今日。
そのことを考えていたときに、「きれいごと」ということばがふと思い浮かびました。
乙女座は「きれいごとなんて言ってもダメだよ、ほんとうは違うでしょ」と言ってきがちです。わたしは出生図で乙女座と射手座に3天体ずつ持っているせいでそんなふうに考えたのかもしれません。
射手座は「きれいごとかもしれないけど崇高なこと」を言いたがり、乙女座はそれが「ほんとうか嘘か」を断じたがり、魚座はすべてを曖昧にしてしまいたい。
これが柔軟宮のTスクエアのひとつの表れ方ですね。射手座を運行中の土星から「崇高なだけいいの?」のダメ出しもある。いま、「きれいごと風味の崇高」は劣勢です(頑張れここが正念場だよ射手座!笑)。
太陽と月の軸に対して土星がツッコミを入れ緊張をかけている形なのですが、その軸をちょっとずらすようにして、木星と天王星が別の力をかけてくれているおかげで、そのつっぱり感はやわらいでいるみたいです。だからハードなのにやさしいのかな。
きれいごとを言っていたのでは物事はなかなか進まないように見えます。でも、それはきれいごとが「ほんとう」じゃないからでしょうか?
この満月から次の新月までは、「きれいごとなんてほんとうじゃないからダメ」ではなくて、なぜそんなきれいごとを言うのかな、と静かに考えてみたいなと思いました。
きれいごとでも、カッコつけでも、痩せ我慢でも、何でもそうなのですが。
ほんとうの自分ってなかなかわからないものです。もちろん、ほんとうの「誰か」も。
ちょっと時間が経つと、自分でも「あれ、そんなこと言ってたんだ」って思うようなことを言っていたりすることがあります。時間が経つと、そのときの「ほんとう」は変わってきてしまう。そのときは「ほんとう」だったのに。
わたしみたいに乙女座の天体が強いと、すぐに「ほんとうか嘘か」とこだわってしまうところがあって、ときどきそういう自分にほとほと疲れちゃいます(笑)。
たとえきれいごとみたいに見えても。嘘みたいに、カッコつけてるだけに見えても。
その奥にあるかもしれない「ほんとう」が見えてくるまでちょっと待つことも必要だと思います。ほんとうって、いろいろな形をとるものですから。
動物の訓練士なら、やっぱり動物をよく観察して、動物語を操れるようにならないとね。
今夜、この静けさをくれる満月は、そんなことの助けになってくれるはずです。
どうぞみなさま、よい満月の夜を。
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